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小手鞠るい

小手鞠るいさんの情報(受賞歴、新刊、ニュース、インタビュー、関連つぶやき等)をまとめています。
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経歴

小手鞠るい(こでまり るい、1956年3月17日 - )は、日本の小説家、詩人、エッセイスト。
1982年に刊行された詩集『愛する人にうたいたい』(川滝かおり名義)で、詩人として出発。1995年に刊行された『玉手箱』で、小説家として再出発。『欲しいのは、あなただけ』『エンキョリレンアイ』シリーズ三部作、『愛を海に還して』『空と海のであう場所』『別れのあと』『ロング・ウェイ』などの恋愛小説作品で人気を博する。絵本の原作、エッセイ、児童書なども手がけている。代表作は『誰もいない』『九死一生』『美しい心臓』『アップルソング』『私たちの望むものは』『女性失格』『情事と事情』など。
岡山県備前市出身。岡山県立岡山朝日高等学校、同志社大学法学部法律学科卒業。出版社勤務、学習塾講師、フリーライターなどを経て、1992年にアメリカに移住。
22歳のとき、やなせたかしが編集長をつとめる雑誌『詩とメルヘン』に、詩作品『空はなにいろ』を初投稿し初入選。その後も投稿を重ね、1981年に第7回サンリオ「詩とメルヘン賞」を受賞し、三冊の詩集を上梓。二十代から三十代半ばにかけて、詩作のかたわら、小説の創作と文芸誌の新人賞への応募をつづける。
渡米後の1993年、アメリカ人夫婦の離婚を目の当たりにした日本人女性の心と体の葛藤を描いた『おとぎ話』で、第12回「海燕新人文学賞」を受賞。
1995年、受賞作を含む第一作品集『玉手箱』を刊行。
2005年、「男らしい人」との激しい恋、「優しい人」との悲しい愛、ふたつの恋愛を、駆け抜ける文体で描いた作品『欲しいのは、あなただけ』で、第12回「島清恋愛文学賞」を受賞。
翌2006年、ニューヨークと東京に離れ離れになった恋人たちの切ない思いを描き切った『エンキョリレンアイ』が話題を呼ぶ。以後も精力的に作品を発表。
近作として、過去から解放され、自分らしい生き方を模索する主人公の喪失と再生を描いた『永遠』、ジャズカフェを経営する、若い男女のみずみずしい恋愛模様を描いた『ふたり』、出身地である岡山を舞台にして、母と娘、結婚と仕事、郷里と家族などを重層的に描き、幸福とは何か、愛とは人生とは何かを問いかけた意欲作『望月青果店』、ニューヨークと東京を行き来するキャリアウーマンと、備前焼の陶芸作家が、9・11事件や熟年離婚などに直面しながらも、時の流れを超えて純愛を貫く生き様を描き出した、壮大かつ繊細な長編小説『海薔薇』、フィギュアスケートのペア、可南子と流のみずみずしい初恋を描いた『ガラスの森』と、その姉妹編『はだしで海へ』につづく、青春小説三部作の完結編、ペルー取材をもとに書かれた『空中都市』、新人小説家を主人公に据え、書く女の不倫の恋にまっこうから取り組んだ意欲作『泣くほどの恋じゃない』がある。
他にも、妻子ある男を愛してしまったふたりの女の日々の暮らしと心模様を、あますところなく描き切りながらも、同時に、本を愛するすべての人たちへのオマージュにもなっている、恋愛小説の最長編『誰もいない』、恋愛小説の枠組みを超え、すべての生きとし生けるものたちへの愛を静謐な筆致で描き切った『九死一生』、初期の代表作『欲しいのは、あなただけ』を超える衝撃度で、悪魔的なまでに純粋な恋愛の苦悩と幸福を描いた『美しい心臓』など。
2014年5月に発表された『アップルソング』は、敗戦直前の焼け跡から救い出され、アメリカに渡って戦争報道写真家となった女性を主人公に据えて、日本とアメリカ、戦争と平和、人間の罪と罰、地球の未来に思いを馳せながら、重厚で壮大な世界を詩情豊かに描き出した新境地であり、これまでの創作の集大成とも言える作品になっている。
2015年9月に発表された『テルアビブの犬』は、幼少時に読んで初めて号泣した『フランダースの犬』を下敷きにして書かれた小説で、出色の動物文学。また、同年10月に発表された『優しいライオン-----やなせたかし先生からの贈り物』は、中学時代から師と仰いできたやなせたかしの人生をたどりながら、自身の歩みや、やなせ氏との45年間にわたる交流、思い出を綴ったエッセイ。両作品は、やなせたかしに捧げられている。
2017年9月に発表された『星ちりばめたる旗』は、アメリカへの日系移民100年の歴史を重層的に描いた意欲作。歴史小説としても高く評価された。
2018年5月に発表された『炎の来歴』は、『アップルソング』『星ちりばめたる旗』の流れを汲む作品。アメリカと日本、戦争と平和、人間の愚かさと尊さをテーマに据え、不穏な情熱を秘めつつ疾走感の漂う独特な文体を駆使して書かれている。桐野夏生氏、奥泉光氏が本書に推薦コメントを寄せている。
2021年12月に発表された『女性失格』は、太宰治の『人間失格』のパスティーシュ的作品。女はいかにして女になっていくのか、女にならざるをえないのか。袋小路に追い詰めていくようにして、女の性と生を描き切った衝撃の問題作。「メーターが振り切れるまで書いた」と、著者はSNSで語っている。
無類の猫好きで、猫をテーマにしたエッセイ集『オトコのことは猫に訊け』『愛しの猫プリン』のほか、今は亡き愛猫との暮らしを題材にした小説『猫の形をした幸福』や黒猫が活躍する絵本『ルウとリンデン 旅とおるすばん』がある。
1996年から、ニューヨーク州ウッドストックに在住。森に囲まれた生活、野生の動植物たちとの触れ合いをこよなく愛する。
趣味は、バードウォッチング、登山、ジョギング。週に5日、約5キロの山道を走っている。夫が撮影したウッドストック界隈の写真と、短編小説を組み合わせた作品に『ラブ・ストーリーを探しに』がある。

受賞歴

小手鞠るい関連記事(ニュース、インタビュー、書評等の外部リンク集)

  • 2020.3.4 【今週はこれを読め! エンタメ編】亡くなった母から届いたノート〜小手鞠るい『窓』

    本書では、ウガンダの内情をはじめとした海外の複数の国における問題について、多くの紙幅が割かれている。楽しい話題とはかけ離れた要素を含むこの作品を、エンタメ小説として本欄で紹介していいものかどうか迷った。しかし、『窓』はノンフィクションでもルポルタージュでもない。ここで取り上げなければ、レビューなどがアップされる場が限られてしまうのではないかと思い(自分のTwitterという手もなくはないけど、零細アカウントなので...)、やはりご紹介させていただくことにした。

  • 2019.9.13 小学館、第68回「小学館児童出版文化賞」を決定

    9月12日、最終選考会を行い、受賞作を決めた。受賞作は、小手鞠るい『ある晴れた夏の朝』(偕成社)、田中清代『くろいの』(偕成社)、おくはらゆめ『わたしといろんなねこ』(あかね書房)の3作。

  • 2018.6.21 【エンタメ小説月評】文通で深まる愛 広がる世界

    「世界」などというものからはほど遠い、女子高生同士の文通の文面。あるいは授業中にそっと回される、おしゃべり代わりのメモ。そんな、たわいのない文言から始まった物語が、いつの間にか、まさに「世界」を、人生の奥深さを描いている――。女子校で出会ったふたりの女性の二十余年を、その間にやりとりされた手紙だけでつづる三浦しをん『ののはな通信』(KADOKAWA)には、ただただ驚かされた。書簡形式で書き切った胆力にも、冒頭では予想だにしなかった場所へ読者を連れて行く筆力にも。

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