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井上夢人

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経歴

井上 夢人|いのうえ ゆめひと|1950年。多摩芸術学園映画科中退。本名は井上 泉。ペンネームはビートルズの楽曲「夢の人 - ''I've Just Seen A Face''」に由来。既婚。
父が牧師である教会の家に生まれる。子供の頃は身体が弱かったために学校を休むことも多く、家でもっぱら母親が借りてきた本を読んで過ごしていた。小学4年生から6年生までは合唱団に所属し、ボーイソプラノの1番高いパートを担当していた。
中学1年生の時に観た映画『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』をきっかけにビートルズに傾倒。お小遣いをすべてつぎ込んではレコードを集め、高校ではバンドを組んでボーカルを担当して彼らの楽曲を歌うなどしていた。しかし1967年の彼らのアルバム『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』を聴き、そのあまりのすごさに「彼らに追いつけるわけがない」とバンド熱が冷め、母親が洋画好きだったことから幼い頃からよく観ていた映画へと次第に興味がうつっていく。そして旺文社主催の学生文芸コンクール・シナリオ部門で佳作入選を果たしたことから将来は映画の道へ進もうと決意し、多摩芸術学園映画科へ進学する。学生紛争の中でも楽しく学んでいたが、早く実際の現場に出たいと思うようになり、半年で大学を中退し、プロダクションに入社。脚本を書いたり、PR映画や記録映画の助監督として経験を積んだ後、仲間3人で映像制作会社を設立するが、1年足らずで会社は倒産し。
徳山諄一とコンビを組み、「岡嶋二人」のペンネームで1975年から7年間で4回応募し、1982年に『焦茶色のパステル』で第28回江戸川乱歩賞を受賞しデビューする。その後、2人で創作活動を続けるものの、1989年刊行の『クラインの壺』を境にコンビは解消され、井上は「井上夢人」のペンネームで創作活動を続けている。なお『クラインの壺』はほとんど井上の手によって書かれたものである。
1992年、新潮社刊行の『ダレカガナカニイル…』にて再デビューする。井上は岡嶋時代も執筆をすべて担当していたこともあり、軽快で上品な文体はそのまま引き継がれている|date=2018年3月。内容的には本格物よりもホラーやSFへの傾斜が強くなった。大沢在昌は作品集『あわせ鏡に飛び込んで』発表に際する対談。
初期のパーソナルコンピュータが「マイコン」と呼ばれていた時代からコンピュータを趣味としており、度々作中に素材として登場するなどするため、しばしばコンピュータに強い作家と言われる|date=2018年3月。また自身のサイトでも自分の作品の冒頭部や解説の立ち読みが可能となっていたり、かつてアサヒグラフ別冊に書いたエッセイを自ら電子書籍化するなどコンピュータへの強さがうかがえる|date=2018年3月。また小説の型を取っ払った新しい小説として、パソコンで読むことを前提としたハイパーテキスト小説「99人の最終電車」を執筆した。1999年には我孫子武丸、笠井潔、小森健太郎、貫井徳郎、法月綸太郎らと、電子書籍を供給する作家集団e-novelsを立ち上げ、技術面を一身に担うなど中心的存在となったが、2003年退会した。e-novelsは2007年に活動を休止している。
2024年4月3日、本屋大賞発表に先駆けて「発掘部門」の「超発掘本」として『プラスティック』が決定された。

受賞歴

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