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純に関連する小説ニュースまとめ

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純 ニュース検索結果

2021.7.14  【今週はこれを読め! エンタメ編】綾崎隼『死にたがりの君に贈る物語』に心を揺さぶれる!

正論は時に人の心を逆撫でする。もしも本書の登場人物たちに話しかけることができるとしたら、よかれと思って忠告する人も多いだろう。

2021.6.18  【今週はこれを読め! ミステリー編】疾風怒濤のホラー西部劇『死人街道』

神を激しく憎みながらその憎悪の対象に祈りを捧げる以外の生き方を知らない男。

2021.5.12  今村夏子の小説「こちらあみ子」映画化、井浦新と尾野真千子が出演

今村夏子の小説「こちらあみ子」が映画化。井浦新と尾野真千子が出演することがわかった。

2021.5.11  今村夏子の小説「こちらあみ子」映画化、井浦新と尾野真千子が出演

今村夏子の小説「こちらあみ子」が映画化。井浦新と尾野真千子が出演することがわかった。

2021.5.6  【今週はこれを読め! SF編】ゴールドラッシュの小惑星で繰りひろげられるアクションSF

ロバート・シルヴァーバーグ『小惑星ハイジャック』(創元SF文庫)

2021.4.22  【今週はこれを読め! エンタメ編】成長していく少年の物語〜トレント・ダルトン『少年は世界をのみこむ』

本書の帯には「2019年オーストラリアで一番売れた小説」とあるが、そこから考えられるのはオーストラリア国民は相当に骨のある人々だということだ。

2021.4.14  「2021年本屋大賞」決定!! 大賞は町田そのこ『52ヘルツのクジラたち』 全ノミネート作の順位を発表!

全国の書店員が選ぶ、いま一番売りたい本を決める「本屋大賞2021」の受賞作が4月14日(水)決定した。

2021.4.14  【今週はこれを読め! エンタメ編】料理とおみくじで一歩を踏み出す短編集〜冬森灯『うしろむき夕食店』

食べ物の描写がおいしそうな文章は、もうそれだけでありがたい。食は大事。栄養学的な観点からももちろんだけれど、単純においしいものを食べたときの格別な幸せを思うだけでも、食事の大切さは決してないがしろにできないと思う。...という意見に賛同してくださるあなたに、ぜひおすすめしたい本がございますのよ。

2021.3.17  【今週はこれを読め! エンタメ編】重厚かつトリッキーな丸山正樹『ワンダフル・ライフ』

今回ご紹介する本は、【エンタメ編】という枠で取り上げるには少々ハードな内容かもしれない。気難しい障害者の妻と介護に疲れた夫の息が詰まるような生活ぶりを、読者は冒頭からさっそく読むことになる。

2021.2.19  【今週はこれを読め! ミステリー編】フィルム・ノワールのような警察小説『刑事失格』

一言で表すなら、フィルム・ノワールの気配をまとった警察小説である。

2021.2.2  【今週はこれを読め! SF編】AIの本質と人間の情動

郝景芳『人之彼岸』(早川書房《新☆ハヤカワ・SFシリーズ》)

2021.1.21  【今週はこれを読め! エンタメ編】義肢装具士への道〜山本幸久『神様には負けられない』

『神様には負けられない』の主人公は、渋谷医療福祉専門学校(通称シブイク)の2年生である二階堂さえ子。義肢装具士を目指している。

2020.12.29  【今週はこれを読め! ミステリー編】私立探偵スカダーの長い歩み『石を放つとき』

私立探偵小説のすべてがここに詰まっている。

2020.12.16  【今週はこれを読め! エンタメ編】5人の「白野真澄」の短編集〜奥田亜希子『白野真澄はしょうがない』

たまーにエゴサーチというものをしてみることがある。とはいえ、私のような零細ライターではだいぶ下方にスクロールしていってようやく関連記事を見つけることができる程度だし、Twitterも炎上するほど閲覧されてもいないので気楽なものだ。常に検索上位にあがってこられる「松井ゆかり」さんは、タレントさんや格闘技の選手の方など。名前が同じというだけの他人ではあるが多少なりともご縁があるように思われて、画像などをじっと見つめてしまうことがある(もはやエゴサーチではない)。

2020.12.8  【今週はこれを読め! SF編】高性能AIに挑む、落ちこぼれエンジニアとおかしなヤクザ

第八回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作。AI技術にかかわるアイデア満載の軽快エンターテインメントだ。とにかくセンスが抜群に良い。

2020.11.28  「作家になるとは思わなかった」三浦しをんさん流「小説の書き方」

熱い友情、悲しい恋愛、夢あふれる冒険――。心揺さぶられる小説に出合ったとき、自分も物語を書きたいと思ったことはないだろうか。

2020.11.28  作家の読書道 第223回:中山七里さん

今年作家デビュー10周年を迎えた中山七里さん。話題作を次々と世に送り出すエンターテインナーの読書遍歴とは? 大変な読書量のその一部をご紹介するとともに、10代の頃に創作を始めたもののその後20年間書かなかった理由やデビューの経緯などのお話も。とにかく、その記憶力の良さと生活&執筆スタイルにも驚かされます。

2020.11.24  【今週はこれを読め! SF編】ハイテク汚濁都市にあらわれた神話的存在感を放つ女

作者サム・J・ミラーは2000年代に作家活動をはじめているが、本格始動は2012年。翌13年にシャーリイ・ジャクスン賞短篇部門を受賞、それ以降、いくつもの賞の候補になり、年刊傑作選収録の常連となっている。本書は2018年刊行の第二長篇で、ジョン・W・キャンベル・ジュニア記念賞を受賞した。

2020.10.27  【今週はこれを読め! SF編】アルゴリズムの支配を逃れ、なお生き延びるすべ

2068年、グーグル(をはじめとするデジタルの覇者である巨大企業)が世界を掌握していた。日常に浸透したネットワークにより、市民のあらゆる情報は集積され、徹底した――しかし体感的にはマイルドな――常時監視社会が完成している。私たちの行為や嗜好はすべてグーグルに筒抜けだ。それが「透明性」というタイトルの意味だ。

2020.9.9  【今週はこれを読め! エンタメ編】誰もが輝くバスケ小説〜藤岡陽子『跳べ、暁!』

バスケットボールって、ほんとうにハードなスポーツだというイメージがある。ほぼずーっと走りっぱなし、手も足も使う、ジャンプ力も要求される。未経験者からすると、こんなにいっぺんにいろんなことをしなければならないのが信じられない。しかも、チームワークまでが重要になってくるのだ。

2020.8.11  【今週はこれを読め! SF編】新たな壮途へ乗りだした年刊日本SF傑作選

創元SF文庫で十二年つづいた《年刊日本SF傑作選》を後継するアンソロジー・シリーズ。版元を移した経緯や、編者が大森望・日下三蔵のタッグチームから大森ソロへ変わったことなど「序」で語られているが、支障なく友好的に運んだようだ。まずは欣快。

2020.7.15  芥川賞に高山羽根子さんと遠野遥さん 直木賞に馳星周さん

第163回芥川賞と直木賞の選考会が15日開かれ、芥川賞は高山羽根子さんの「首里の馬」と遠野遥さんの「破局」の2つの作品が選ばれました。また、直木賞は馳星周さんの「少年と犬」が選ばれました。

2020.6.23  【今週はこれを読め! ミステリー編】追い詰められた者の小説『その手を離すのは、私』

逃亡者、あるいは追い詰められた者の小説というべき作品である。

2020.5.28  【今週はこれを読め! ミステリー編】人間の残酷さを浮かび上がらせる作品集『おれの眼を撃った男は死んだ』

シャネル・ベンツ『おれの眼を撃った男は死んだ』(東京創元社)には、優れた短篇に与えられるO・ヘンリー賞を2014年に獲得した「よくある西部の物語」を含む10の小説が収められている。知っている限りベンツが邦訳されるのはこれが初めてだ。テネシー州メンフィス在住で、ローズ・カレッジで教鞭を執っているという以外の経歴はわからない。

2020.4.15  【今週はこれを読め! エンタメ編】痛快女子バディ物語『ピエタとトランジ〈完全版〉』登場!

「痛快」という言葉がこれほど似合う小説に出会ったのは久しぶり。本書は連作短編集で、ふたりの女子(と呼んでいてもいいのかどうかわからない年齢になるまで彼女たちの仲は続いていくのだけれど)のクールで熱い物語が展開していく。

2020.4.9  【今週はこれを読め! ミステリー編】『短編ミステリの二百年vol.2』で評論と短編を楽しむ!

コロナ禍に遭われたみなさまにお見舞い申し上げます。また、緊急事態宣言発令で外出自粛を余儀なくされているみなさまにも。ざわざわとして心落ち着かない日々ですね。早く日常が取り戻せないものかと思います。

2020.4.8  【今週はこれを読め! エンタメ編】70歳差のかけがえのない友情物語〜アリ・スミス『秋』

EUを離脱するしないの国民投票でイギリスが大騒ぎになっていたのは、もう4年も前のことなのか。

2020.4.7  【今週はこれを読め! SF編】〈ホテル・アルカディア〉の芸術家たち、その他の物語

「吉田同名」で第七回創元SF短編賞を受賞してデビュー、同作を含む短篇集『半分世界』で第三十九回日本SF大賞の候補となった俊英作家の初長篇。ジャンルSFの枠組みに収まらない奇想性(マジックリアリズムの感覚とコラージュ的なテクスト性がせめぎあうとでも言えばよいか)が石川さんの持ち味だが、それが大規模に展開されている。

2020.3.10  【今週はこれを読め! SF編】浪漫の帝都と大陸の新興都市が舞台、波瀾のスチームパンク

和製スチームパンクの第三作。設定は第一作、第二作からつづいているが、物語としては独立しているので、この巻だけ読んでも支障はない。ただし細かいくすぐり----たとえばヒロインの伊武(イヴ)が長須鯨の描かれた箱を大切にしていて、誰かが腰掛けようとすると「椅子じゃない」と怒るくだりなど----は、シリーズを追いかけているファンへのサービスだ。そのあたりも含め、大森望さんが「解説」でシリーズ全体の概要をまとめてくれている。本書から読む場合は、まず「解説」からどうぞ。

2020.2.1  読売文学賞に島田雅彦さんら

第71回読売文学賞(読売新聞社主催)が1日付で発表された。賞金は各200万円。贈賞式は17日、東京・内幸町の帝国ホテルで。各賞の受賞者は次の通り(敬称略)。

2019.12.4  【今週はこれを読め! SF編】斬新なアイデアで展開される、決定論と自由意志をめぐる哲学的洞察

今年五月に原書刊行されたばかりのテッド・チャンの第二短編集。この早さでの邦訳は嬉しい。(12月4日発売)

2019.11.10  【今週はこれを読め! ミステリー編】『生者と死者に告ぐ』の執拗な語りに唸る!

あれあれ、ネレ・ノイハウスってこんなにおもしろかったけ。

2019.10.23  【今週はこれを読め! エンタメ編】家族それぞれの家の記憶〜青山七恵『私の家』

「魔法の言葉」と聞いて、みなさんはどういうものを思いつかれるだろう? 「ありがとう」や「信じれば夢は叶う」といった万人の心に訴えるものを思い浮かべる方もいれば、スピッツの名曲「魔法のコトバ」を口ずさむ方もいるだろう。あるいは「やればできる」という「魔法の合いことば」を思い出す高校野球ファンもいるのでは(ヒント:「済美高校 校歌」で検索なさってみてください)。しかし、私が考える「魔法の言葉」は、「よそはよそ、うちはうち」である。このひと言で、いったいどれほどの子どもたちの訴えが却下されてきたことだろうか。

2019.10.21  【今週はこれを読め! ミステリー編】確かな足元が崩れ落ちるリンドクヴィスト『ボーダー 二つの世界』

足元に確かにあったはずの地面がふっと消失し、無限の落下が始まる。

2019.10.18  【特集】『弱キャラ友崎くん』×『千歳くんはラムネ瓶のなか』最新刊同時発売記念 屋久ユウキ×裕夢 青春ラブコメ対談インタビュー

2019年10月18日に『弱キャラ友崎くん』第8巻、『千歳くんはラムネ瓶のなか』第2巻が同時発売となった。このたび2作品の最新刊発売を記念して、両作品の著者である屋久ユウキ先生と裕夢先生をお招きし、青春ラブコメ対談インタビューとしてお話をお聞きした。両作品は小学館ライトノベル大賞にて「優秀賞」を受賞すると共に、キャラクターや物語において「リア充」という存在も欠かせない共通点として有している。お互いの印象から各作品のキャラクターに込められた想い、地元を物語の舞台にした理由など幅広く語っていただいた。

2019.10.8  【今週はこれを読め! SF編】著者初の短篇集。文化と歴史への洞察と、卓越した構成力、語りの技巧。

小川哲はハヤカワSFコンテストに投じた『ユートロニカのこちら側』で大賞を射止めてデビュー、受賞後第一作となる『ゲームの王国』で日本SF大賞と山本周五郎賞を受賞。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いである。現代社会がはらむ諸問題への怜悧な眼差しと、複線的なストーリーを緊密に束ねる卓越した構成力は、舌を巻くばかりだ。

2019.9.21  【今週はこれを読め! ミステリー編】何が起こるかわからない『11月に去りし者』

小説は思いがけないことが起こるからおもしろい。

2019.9.10  【今週はこれを読め! SF編】きらめく青春小説にして、時間と現実と創作とをめぐる問い直し

サンライズ製作のSFアニメ『ゼーガペイン』のスピンオフ小説。ヒロインの守凪了子(カミナギリョーコ)、彼女の幼なじみ十凍京(ソゴルキョウ)は共通だが、小説版オリジナルの主要キャラクターも多く登場し、背景となる設定もいっそう深く練られている。

2019.9.6  【今週はこれを読め! ミステリー編】夏の終わりに読みたい二つの中編『エレベーター』『わが母なるロージー』

暑さ寒さも彼岸までと言う。まだ夏が終わらないうちに、この本を読んでしまおう。

2019.9.4  『異世界チート魔術師』原作者・内田健先生インタビュー|「楽しい」からこそ、ここまで書き続けられた

小説投稿サイト『小説家になろう』(以下、なろう)で連載中、ヒーロー文庫より書籍版が刊行中の内田健先生によるライトノベル『異世界チート魔術師』。

2019.8.30  独占インタビュー「ラノベの素」 タンバ先生『最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2019年9月1日にスニーカー文庫より『最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い』が発売されるタンバ先生です。帝位争いが激化する帝国内において、出涸らし皇子とバカにされる一人の皇子が、双子の弟を帝位につかせるために暗躍を始めるファンタジーシリーズ。作品の裏側や内容についてはもちろん、2つの顔を有する主人公の暗躍の魅力、そして本作の見どころについてお聞きしました。

2019.8.9  【今週はこれを読め! ミステリー編】『イヴリン嬢は七回殺される』に引き込まれる!

アドヴェンチャー・ゲームが好きな人は絶対にはまる。

2019.7.23  【今週はこれを読め! SF編】冬の物語、夢の物語、大胆なガジェットと切ない恋情

冬の物語、あるいは冬へと向かう物語。SFの歴史のなかで、いくつも印象的な作品が生まれてきた。ライバー「バケツ一杯の空気」、ティプトリー「愛はさだめ、さだめは死」、ル・グィン『闇の左手』、コーニイ『ハローサマー、グッドバイ』。本書はその系譜に連なる一冊だ。

2019.7.16  ピース又吉の恋愛小説『劇場』が映画化 主演・山崎賢人、ヒロイン・松岡茉優の同い年コンビ

長編デビュー作『火花』で第153回芥川賞を受賞したお笑いコンビ・ピースの又吉直樹の受賞後第1作となる小説『劇場』が、映画化されることが決定し、松竹とアニプレックスの共同配信で公開。行定勲監督がメガホンを取り、主演は山崎賢人(24)、ヒロインは松岡茉優(24)の"同い年コンビ"が務めることが発表された。

2019.7.5  《GA文庫大賞》大賞作『処刑少女の生きる道 ―そして、彼女は甦る―』佐藤真登インタビュー

ライトノベルファン待望の本格異世界ファンタジー!〈処刑人〉の少女と〈迷い人〉の少女。殺す側と殺される側の必然の出会いは予期せぬ友情へと展開する――。殺伐とした世界を生き抜く少女メノウと、彼女を取り巻く個性豊かな女性たちが織りなす生と死のドラマ。《GA文庫大賞》7年ぶりの大賞作が満を持してここに登場!

2019.6.22  作家の読書道 第207回:最果タヒさん - 作家の読書道

作家の読書道 第207回:最果タヒさん

2019.6.12  【今週はこれを読め! エンタメ編】加害者家族と被害者家族の対峙〜岩井圭也『夏の陰』

加害者家族と被害者家族。彼らの物語を純粋なフィクションとして捉えられるのは、幸いにも自らがどちらの立場にも立ったことがないからだ。

2019.6.10  作家の田辺聖子さん死去、91歳=小説、エッセーなど多彩な作品

人間関係の機微を描いた小説やエッセーを発表してきた作家で文化勲章受章者の田辺聖子(たなべ・せいこ)さんが6日午後1時28分、胆管炎のため神戸市内の病院で死去した。91歳だった。大阪市出身。葬儀は近親者で済ませた。喪主は弟聰(あきら)氏。後日、東京と大阪でお別れの会を開く予定。

2019.5.14  【今週はこれを読め! SF編】場所が特定できぬ孤峰、スパゲッティコードとしての世界

これは旅の物語であり、物語という旅である。地図はない。行ってみないと、その先がどうなっているかわからない。

2019.3.23  作家の読書道 第204回:上田岳弘さん

デビュー作「太陽」の頃から、大きな時間の流れの中での人類の営みと、個々の人間の哀しみや郷愁を融合させた作品を発表し続け、『私の恋人』で三島由紀夫賞、そして今年『ニムロッド』で芥川賞を受賞した上田岳弘さん。5歳の頃から「本を書く人」になりたかった上田さんに影響を与えた本とは? 作家デビューを焦らなかった理由など、創作に対する姿勢も興味深いです。

2019.3.12  【今週はこれを読め! SF編】宇宙共通の原理としての進化

『天冥の標』がついに完結した。十巻構成だが、数冊がかりの巻もあるので本の数でいえば、全十七冊。足かけ十年にわたる執筆で、物語としては二十一世紀から二十九世紀までわたる長大な宇宙未来史となる。

2019.2.12  【今週はこれを読め! SF編】幻想への航海、宙づりのままに残る謎

カール・エドワード・ワグナーが「LSDでぶっとんだメルヴィルが書いた『宝島』」と評した奇書である。ただし、表面的な筋を追うぶんには、ストレートな海洋幻想譚にすぎない。重要なのは、物語の向こう側にある何かだ。

2019.2.9  独占インタビュー「ラノベの素」 渋谷瑞也先生『つるぎのかなた』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2019年2月9日に電撃文庫より『つるぎのかなた』が発売された渋谷瑞也先生です。第25回電撃小説大賞にて《金賞》を同作で受賞し、満を持してデビューされます。剣道を知らなくてもいい、読み終えた後に剣道がわからなくても構わない。ただこの物語を面白いと感じてもらえればそれでいい。剣道という舞台から降りた"元最強"と、孤独に頂点で君臨し続ける"現最強"が激突する時、少年少女たちの心情にどんな変化が訪れることになるのか、物語の内容や見どころについてお聞きしました。

2019.2.1  【今週はこれを読め! ミステリー編】運命に立ち向かう少女の物語『カッコーの歌』

今回採り上げるのはミステリーではない。分類するならばファンタジーなのだが、サスペンスの醸成が尋常ではなく巧く、物語が静から動に転じた後の展開の小気味よさったらない。何事が進行しているのか、という謎で引っ張る展開も素晴らしく、つまりは私がミステリーに求めているもののほとんどはここに入っているのである。本欄をお読みのミステリー・ファンのみなさんにも同じ気持ちを共有していただけるものと信じて。

2019.1.18  独占インタビュー「ラノベの素」 上川景先生『撃ち抜かれた戦場は、そこで消えていろ』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2019年1月19日にファンタジア文庫より『撃ち抜かれた戦場は、そこで消えていろ』が発売となる上川景先生です。第31回ファンタジア大賞にて「大賞」を同作で受賞し、満を持してファンタジア文庫よりデビューされます。人間の存在も、功績も、成果も、結果も、痕跡も、干渉も、そのすべてを消し去る悪魔の弾丸を手にした少年兵と、繰り返す戦争に暗躍する亡霊(ゴースト)の物語を描いた本作。主人公と共に一発の弾丸で変遷する世界を追いかける作品の内容や見どころについてお聞きしました。

2019.1.15  【今週はこれを読め! ミステリー編】血が滾る冒険小説『拳銃使いの娘』

血が滾る、としか言いようのない小説である。

2018.11.28  大賞に冴知いゆ氏 川端康成青春文学賞

茨木市が創設した「川端康成青春文学賞」の大賞に、奈良県田原本町の大学4年生、冴知(さえぢ)いゆさん(22)の作品「地上○(まる)mから」が選ばれた。作品は月刊誌「中央公論」2月号に掲載される。

2018.10.24  【今週はこれを読め! エンタメ編】元恋人同士の猫との別れ〜向井康介『猫は笑ってくれない』

ふだんはあまり読まない恋愛小説(かどうかは読み手によって受け止め方はさまざまだと思うが、個人的には本書は恋愛ものに含まれると捉えている)を手に取ったのは、やはり「猫」に負うところが大きい。私自身は飼ったことがないので断言はできないが、きっと著者は猫に慣れておられるに違いない。登場人物たちも猫好きの占める割合が大きい。とはいえ本書における登場人物ならぬ登場猫・ソンは腎不全を患っており、徐々に弱っていく様子も描かれるので、愛猫家たちに手放しでは薦められないが。

2018.10.6  泉鏡花文学賞:山尾悠子さん受賞 憧れの賞、感激 金沢市民文学賞は井崎さん、新田さん 21日授賞式

今年の第46回泉鏡花文学賞(金沢市主催)に山尾悠子さん(63)の「飛ぶ孔雀(くじゃく)」(文芸春秋)が選ばれた。山尾さんは先月27日に東京で開かれた選考委員会後、報道陣の電話取材に応じ「20代の頃からの憧れの賞で、感激している。これからも書き続け、研さんしたい」と語った。

2018.8.25  【今週はこれを読め! ミステリー編】覚めることのない悪夢のようなミステリー『通過者』

永遠に覚めることのない悪夢を見させられているような小説だ。

2018.8.22  【今週はこれを読め! エンタメ編】心を動かされる恋愛小説〜フォースター『モーリス』

最近のニュースで、衆議院議員による"LGBTは『生産性』がないので支援する必要はない"といった内容の発言が大きな話題になった。この件に関していろいろ思うことはあるが、私が最も気になっているのは、この議員が自分の子どもさんや将来生まれるかもしれないお孫さんたちがLGBTであると自覚する可能性をまったく考えないのだろうかということだ。仮にそうなった場合、子や孫に「たとえ『生産性』がなくても、あなたは私の大切な子ども(孫)よ」と言うのだろうか。

2018.8.6  小3で執筆 小説家の原点…辻村深月さん

山梨県石和町(現笛吹市)で育ちました。父は町役場に勤め、母は保健師でした。桃農家だった祖父母の桃畑でよく遊び、受粉などの手伝いをしたことも覚えています。

2018.8.3  『うわさのズッコケ株式会社』で児童文学の掟を破る!? 「ズッコケ」と歩んだ40年。那須正幹さんインタビュー

1978年に『それいけズッコケ三人組』が出版されて、今年でシリーズ40周年。わんぱくだけど短気でおっちょこちょいのハチベエ、博識で努力家だけどなぜかテストの点は悪いハカセ、動きはのろくぽっちゃりしてるけど誰よりも優しいモーちゃん。世代を超えて子供たちが夢中になってきた、みんなの"友達"だった三人組。著者の那須正幹さんに、40周年をふりかえってみてどう感じているのか、お話をうかがった。

2018.7.24  【今週はこれを読め! SF編】メタモルフォーシスと魅入られた者の情念

夏の楽しみは、東雅夫さん編の怪奇・幻想短篇集が読めることだ。2012年の泉鏡花『おばけずき』からはじまった平凡社ライブラリーの文豪怪異小品シリーズも、本書で7冊目となる。幻想短篇集はナイトテーブルにおいて、毎晩一篇ずつ、銘酒を味わうようにゆっくり読むのが理想だが、谷崎の文章の口当たりの良さにページをめくる手がとまらず、一気に読みあげてしまった。

2018.7.19  『光車よ、まわれ!』天沢退二郎

夏休みに読書感想文の選書に悩まされる子供は多いのではないだろうか。手っ取り早く学校から指定された課題図書を選ぶのも良いが、せっかくなのだから自分で読みたいと思えるような作品と出会う機会を作って欲しい。

2018.7.11  作家:栗本薫さんの未発表作発見 「中島梓」名義の私小説

2009年に56歳で亡くなった作家の栗本薫さんが江戸川乱歩賞を受賞する直前の1970年代後半、中島梓の筆名で執筆しながら未発表となっていた小説の原稿が見つかった。小学館が11日、明らかにした。13日に同社が配信する「栗本薫・中島梓 傑作電子全集」第9巻に収録される。

2018.6.29  独占インタビュー「ラノベの素」 悠寐ナギ先生『→ぱすてるぴんく。』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2018年6月29日に講談社ラノベ文庫より『→ぱすてるぴんく。』第2巻が発売となった悠寐ナギ先生です。第7回講談社ラノベ文庫新人賞「佳作」受賞作にして、隔月で続刊が刊行された本作。20歳の新鋭が描いたインターネットやSNSを通じた苦々しくも愛しい、リアルで等身大の青春ストーリーの内容や、第2巻の見どころについてお聞きしました。

2018.6.21  【エンタメ小説月評】文通で深まる愛 広がる世界

「世界」などというものからはほど遠い、女子高生同士の文通の文面。あるいは授業中にそっと回される、おしゃべり代わりのメモ。そんな、たわいのない文言から始まった物語が、いつの間にか、まさに「世界」を、人生の奥深さを描いている――。女子校で出会ったふたりの女性の二十余年を、その間にやりとりされた手紙だけでつづる三浦しをん『ののはな通信』(KADOKAWA)には、ただただ驚かされた。書簡形式で書き切った胆力にも、冒頭では予想だにしなかった場所へ読者を連れて行く筆力にも。

2018.6.11  2つの新人賞を同時受賞! 驚異の新人が描く受賞小説が発売

新人賞2冠に輝いた新星・路生よる。その期待の受賞作2作品が、2018年5~6月にかけて連続刊行される。新人賞W受賞という快挙を果たした路生よる作品の魅力とは何なのか?

2018.6.11  「号泣するだろうなぁ…」三浦しをん『風が強く吹いている』待望のアニメ化にファン大興奮

箱根駅伝に挑む大学生たちの姿を描いた小説『風が強く吹いている』のテレビアニメ化が決定。映画「桐島、部活やめるってよ」で脚本を務めた喜安浩平がシリーズ構成・脚本を務めることも判明し、「ついにアニメ化か!」「今から楽しみ」「映画の脚本家を起用って、どんな効果が生まれるんだろう」と歓喜の声が続出している。

2018.6.6  【今週はこれを読め! エンタメ編】フィンランドから異次元へ向かう4人〜尾﨑英子『くらげホテル』

「ここではないどこかへ行きたい」という思いは、切羽詰まったケースからとりたてて切実でないものまで、我々の心にしばしばわき起こりがちだ。しかし、移動する先が「異次元」となれば、いろいろと話は違ってくる。

2018.6.5  【今週はこれを読め! SF編】大きくうねる戦局のなか、不可解な状況にさらされる兵士たち

《航空宇宙軍史》は谷甲州のライフワークともいえる長大な連作だ。軍事組織「航空宇宙軍」を擁する地球側と外惑星連合との緊張は外惑星動乱のかたちで堰を切る。日本SF大賞を受賞した『コロンビア・ゼロ』は、第二次外惑星動乱の勃発に至る経緯を描いていた。本書『工作鑑間宮の戦争』は、それにつづく時期の物語として、六篇のエピソードを収録している。

2018.5.15  【今週はこれを読め! SF編】忘れることができるメモリ、未来においてインプットされた記憶

1992年に刊行された早瀬耕のデビュー長篇。一部で高評価を得ながら、広い注目を集めるまでにいたらず、また作者がその後、表立った作品発表をおこなっていなかったこともあって----第二長篇『未必のマクベス』が刊行されたのが2014年なので20年以上のブランクだ----埋もれた作品になっていた。それがようやく文庫化された。

2018.4.19  【書評】『玄鳥さりて』葉室麟 - 横丁カフェ

この作品は、純愛と、そして自由とは何かを描いた小説だ──。

2018.4.17  小説もエッセイも笑って泣ける感動作揃い! 西加奈子おすすめ12作品

直木賞作家・西加奈子待望の短編集『おまじない』(筑摩書房)が2018年3月2日に出版される。自身も関西で育ち、人情や愛憎の色濃い関西を舞台としたものが多い作品の数々には、引き込まれるように笑って読み進めながらも、クライマックスで人々の深い愛情に触れ、思わず涙するものも多い。本ページでは、そんな中からおすすめ作品の魅力をぎゅっと絞って紹介したい。

2018.4.11  「不登校する勇気はなかった」辻村深月が本屋大賞受賞作に込めた思い

辻村深月さん、若くしてエンタメ小説界の旗手になった小説家である。1980年生まれの38歳。2004年にメフィスト賞を受賞した『冷たい校舎の時は止まる』で鮮烈なデビューを飾り、32歳のとき『鍵のない夢を見る』で直木賞を受賞する。

2018.4.10  【今週はこれを読め! SF編】超テクノロジーのロマンとショボいサラリーマン生活のミスマッチ

このご時世に宇宙海賊とは。しかも、コスプレじみたオネーサンの表紙。怖い物見たさ半分に、薄目で読みはじめたのだけど、いやあ、冒頭で示される設定で瞳孔が開いてしまった。

2018.4.5  エンタメ小説に相次ぐ新星作家、壮大な物語紡ぐ

エンターテインメント小説の世界に新星が登場している。デビュー第2作が文学賞に輝く作家が相次ぐ。人類の進化や迫真の活劇、海外の内戦が描かれた壮大さが魅力だ。

2018.3.22  【エンタメ小説月評】老いと死を見つめて

芥川賞受賞作の若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』(河出書房新社)がベストセラーになっている。著者は60代前半だが、70代の主人公を通して老いや孤独を見つめる作品が共感を呼んでいるのだろう。近年は高齢の著者によるベストセラーも増えている。

2018.3.6  【今週はこれを読め! SF編】盆暗にして繊細、くだらないからこそ輝く、宮内悠介の短篇集

宮内悠介の短篇集。純文学作品ではすでに『カブールの園』『ディレイ・エフェクト』という二冊の短篇集があるが、SFもしくはミステリの短篇集としてはこれが最初の一冊となる。厳密に言うと、『盤上の夜』『ヨハネスブルグの天使たち』『彼女がエスパーだったころ』『スペース金融道』『月と太陽の盤』は短篇連作を一冊にまとめているので、書誌的には短篇集なのだけど、現在の出版慣習では長篇とほぼ同等の扱いだし、読者もそのように受容している。

2018.3.6  BL、百合、ロリータ、フェチ、女装…文学の世界の極限を美麗マンガで描く

「文学」と聞いて、どんなことを想像するだろうか。

2018.2.5  【今週はこれを読め! ミステリー編】残酷さと恐怖をくぐりぬけた者たちの物語『蝶のいた庭』

「おそろしく寒い夜でした。雪が降っていて、ほとんどまっ暗でした----大晦日の夜のことです。この寒い夜のなか、ひとりの貧しい少女が帽子もかぶらず裸足で通りを歩いていました」

2018.1.6  【今週はこれを読め! ミステリー編】幻想作家ブッツァーティの短篇集『魔法にかかった男』

何年前の「このミステリーがすごい!」だったか、これまで邦訳されたミステリー短篇のベスト5を挙げよ、というアンケートをもらった。

2017.12.28  【書評】『ドレス』藤野可織 - 横丁カフェ

好き嫌いが非常に分かれる作家なので腰が引けるところがこれまではあったのですが、これほどの作品集を読んでしまったからには口を噤んではいられません。全日本の本読む人らよ、藤野可織を読みましょう。最新短編集『ドレス』(河出書房新社)を筆頭にいずれの本も傑作揃い。

2017.12.28  【今週はこれを読め! ミステリー編】2018年は〈ミレニアム〉で始めよう!

おせちに飽きたら『ミレニアム』もね!

2017.12.11  第7回 本屋が選ぶ時代小説大賞発表!

「 オール讀物2017年12月号 」より転載

2017.12.5  【今週はこれを読め! SF編】狂気の細菌兵器、すでにはじまっている破滅

表題の「破滅の王」とは、治療法のない細菌兵器のことだ。常識で考えれば、治療法がなければ兵器として成立しない。破壊兵器と異なり、細菌は標的を絞れない。地に放てば、敵味方関係なく冒していく。そんなものを実戦投入できるはずがない。しかし、戦術としてではなく、暗い情念に駆られてこれを用いる者がいたら......。

2017.11.23  (文芸時評)小説への揺るぎない信奉

磯崎憲一郎(小説家)

2017.11.22  【今週はこれを読め! エンタメ編】家族の幸福の陰にある秘密〜ローレン・グロフ『運命と復讐』

「人間誰しも秘密のひとつやふたつはあるわよ」と言える人の秘密は、たいした秘密ではない。本書の主人公のひとりである妻のマチルドの抱える秘密の重さ、そして多さは、たいした秘密を持たない私などにとってはよくここまで隠しおおせたものだと感心させられるレベルだ。

2017.11.21  【今週はこれを読め! SF編】ロンドンの闇のなかで繰り広げられる、神話世界のゲーム

ロンドンの闇にうごめく異形の存在がいる。気ちがい(クレイジー)ジルと呼ばれる魔女、数多くの避雷針がある農家を拠点とする博士(グッド・ドクター)、霊廟に眠るマントを羽織った伯爵、月に煩わされる狼戦士(ヴルフサーク)ラリー・タルボット、そしてルーン文字が彫りこまれた刃物を使うジャック。

2017.11.18  阿部和重×伊坂幸太郎「私小説として読んでいただいてもいい。僕ら二人が世界を救ったんです!」奇跡の合作小説『キャプテンサンダーボルト』待望の文庫化!

純文学のフィールドで活躍する阿部和重と、エンターテインメント小説界の雄として知られる伊坂幸太郎。二人が合作小説『キャプテンサンダーボルト』を電撃刊行したのは、2014年11月のことだった。本屋大賞にもノミネートされ話題を集めた同作がこのたび、上下巻の文庫版に。この機会に改めて、合作の成果を二人にうかがい、胸を張ってもらった。

2017.11.17  岡山県文学選奨の入選決まる 現代詩の田中さん4人

岡山県、県文化連盟などは17日、第52回県文学選奨の入賞作品を発表した。最高賞の入選は全8部門のうち、現代詩、短歌、俳句、川柳の4部門で各1点が選ばれた。表彰式は29日、県庁で行われる。

2017.10.10  【今週はこれを読め! SF編】再現されたデータの断片、ファイルの向こうに立ちあがる大きな謎

小説の翻訳なのに横組み、そしてこの厚さ(四センチ近い!)。パラパラとめくると、図版あり、天体写真あり、黒字に白ヌキのページあり、タイポグラフィあり、文章の形式も日記、チャットの記録、組織内のメール、閲覧制限の印が捺されたドキュメント、なにかの機器のパネル......と、じつに雑多だ。なかには延々七ページにわたって死亡者のリストがつづいている箇所もある。それにつづくのが、その死亡者の顔写真の一覧だ。

2017.10.4  【今週はこれを読め! エンタメ編】親バカの父から見た宮沢賢治の生涯〜門井慶喜『銀河鉄道の父』

ときどき「子どもたちも大きくなって、やっと子育てが終わった」的なもの言いをする人がいるが、耳にするたび違和感を覚えてしまう。

2017.9.26  【今週はこれを読め! SF編】ふたつの人生とふたつの世界

歴史分岐SFは、素朴な機械論的時間観に基づくジャック・ウィリアムスン『航時軍団』をはじめ、さまざまなバリエーションが書かれてきた。

2017.9.21  ビートたけし純愛小説「アナログ」 初めて自分で書いた

お笑い界と映画界の巨匠が文学界に参入する。ビートたけしさん(70)が「こんな恋がしたい」という純愛を描いた小説「アナログ」を書き下ろした。著書は多数あるが「(詩集以外では)ゴーストライターではなく初めて自分で書いた」と告白。19日、東京都内で思いを語った。

2017.9.15  【今週はこれを読め! ミステリー編】15歳が世界と出会うロード・ノヴェル『東の果て、夜へ』

一人前の大人になるというのは、子供の自分を殺すことでもある。

2017.9.12  【今週はこれを読め! SF編】アクチャルな未来の質感、テクノロジーと人間の新しい共生

多くのSFが描いてきたシンギュラリティは、AIが人間と同等の知性・意識を獲得し、さらにそれを凌駕してしまう臨界点だった。

2017.9.8  【今週はこれを読め! ミステリー編】結末まで目が離せない『ハティの最期の舞台』

これはもしかしたら21世紀の『失踪当時の服装は』になるんじゃないか。

2017.8.17  【エンタメ小説月評】戦争を過去のものにしない

中島京子『ゴースト』(朝日新聞出版)を読み、ふと思い出したのは、40年ほど前に死んだ母方の祖父のことだった。

2017.7.23  最愛のブスが隣にいた、かけがえのない日々――誰もが"あの頃"を思い出す! 糸井重里、小沢一敬、堀江貴文…各界でオトナ泣き続出の異色ラブストーリー!

昔の恋人や、かつて好きだった人とSNS上で偶然再会し、公開されている範囲の投稿をこっそり覗いたことがある、という人は少なくないだろう。

2017.7.19  作家の読書道 第185回:遠田潤子さん - 作家の読書道

奄美の民話をベースにした深遠なファンタジー『月桃夜』で日本ファンタジー小説大賞を受賞してデビューした遠田潤子さん。その後は人間心理を丁寧に描くミステリー作品を発表、最近は文庫化した『雪の鉄樹』がヒットして話題に。非常に幅広く本を読んできた様子の遠田さん、なかでもお気に入りの作品とは?

2017.7.18  【今週はこれを読め! SF編】風待町ろまん、少年の日の思い出、空から来た友だち

僕の名前は久延丕彦(ひさのべものひこ)という。足が少し不自由で人見知り、いつもひとりで遊んでいる。その日は、海岸で「宝探し」をしていた。空に太陽がこぼれおちたような光が見えたかと思うと、遠くでどーんと低い音が響く。しかし、まわりにはだれもいない。目撃したのは自分ひとりだ!

2017.7.13  人生どん底のアラサー女性を救ったのは、"古都"と"和菓子"と……神の遣いの「子狐」? 地元ネタ満載、注目のキャラ文芸

唐突だが、私は度々「京都に住みたい」欲求に苛まれる。仕事や家族のことを考えると実現は限りなく不可能なので、ただ妄想するだけだった……なのに、まるで「京都」(しかも私の狙っている伏見周辺!!)に住んでいる気分を味わわせてくれるキャラクター文芸が誕生するとは……!

2017.7.11  SUNDAY LIBRARY:平松 洋子・評『星の子』今村夏子・著

無垢(むく)な視点が炙(あぶ)り出す物語の奥の残酷さ

2017.7.10  筆跡心理学×美青年書道家の最新刊が発売! コミカライズ化も決定し、ますます熱い話題のキャラミスはもう読んだ!?

人間嫌いの毒舌美青年・東雲清一郎(しののめ・せいいちろう)が「文字」から様々な謎を解決していく「筆跡ミステリー」の最新3巻『筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かない。鎌倉の花は、秘密を抱く』(谷春慶/宝島社)が6月に発売されたが、みなさんはもう読んだだろうか?

2017.7.6  アメリカのSF文学界で、「スペースオペラ」が大流行──その魅力と人気の理由に迫った

壮大な宇宙活劇を描くSFのジャンル「スペースオペラ」。現在、その人気が再燃し、新しい作家たちが次々と作品を発表している。イーロン・マスクをはじめとする起業家たちの野心的な宇宙事業が人々の想像力を刺激するように、なぜいま宇宙を舞台にした「スペースオペラ」が人々の心を掴むのか。その理由を探る。

2017.7.4  【今週はこれを読め! SF編】探偵は棚にいる。扉の鍵は本に隠されている。

SF界きっての技巧派として知られるジーン・ウルフが2015年に発表した最新長篇。『書架の探偵』という邦題から、ジョン・ダニングや紀田順一郎のビブリオミステリに登場するような古書通の探偵、あるいは古今東西あらゆる書物に暁通したボルヘスのような存在を思いうかべる。

2017.7.1  ぶつかりあう女たちの欲望と願望…。志田未来がしたたかな"ウツボカズラ女"に! 乃南アサ『ウツボカズラの夢』ドラマ化決定

乃南アサの小説『ウツボカズラの夢』が、志田未来主演でドラマ化されることが発表された。志田が演じる自分から動かずに目的を達成する"ウツボカズラ女"という役どころには「志田未来ちゃんのしたたかな悪女役が楽しみ!」と期待が寄せられている。

2017.6.14  【今週はこれを読め! エンタメ編】女子高生がつくる"ファミリー"〜松浦理英子『最愛の子ども』

世間一般の認識として「男はバカだ」とよく言われがちだが、基本的には女もバカである。

2017.6.6  辻村深月の集大成にして最高傑作! 二度読み必至の、ファンタジックミステリー『かがみの孤城』発売記念インタビュー

デビュー以来、少年少女が抱く痛切な叫びや、自意識の檻に閉じ込められたもがきを描き続けてきた辻村深月。

2017.5.30  『キミスイ』文庫化&映画化決定! "住野よる"作品が若者の心を掴むワケとは?

今もっとも注目されている若手作家といえば、真っ先に住野よる氏の名が挙げられるだろう。

2017.5.11  ウイスキーと小説がコラボ! 角田光代×朝井リョウ お酒をめぐる対談

楽しみ方で、"ウイスキーって、おもしろい"を味わうことのできる「ブラックニッカ」。今、対象商品のポイントを集めて応募すると、人気作家二人のオリジナル小説が必ず読めるお楽しみが! ウイスキーをテーマに、二人はどんな想いで物語を紡いでいったのだろう。

2017.5.6  この男、強すぎる…! 警視庁の若手刑事が非合法ドラッグの闇を暴く、痛快警察小説

警視庁の若きホープにして、剣の道を極めた達人。

2017.4.26  【今週はこれを読め! エンタメ編】女性の心を鋭くとらえる短篇集『不機嫌な女たち』

現代において古典文学と称される作品も、それらが発表された当時はエンターテインメントとして認識されていたであろうことは、常に心に留めておきたいと思う。

2017.4.23  北の遊郭でトップを目指す女郎と、タコ部屋で虐げられる青年の交わり。女流作家が描き出す北海道の歴史ドラマ

文明の歴史とは裏を返せば搾取の歴史でもある。いつの時代も社会は階級を生み出し、虐げられた人々の犠牲の上に発展してきた。それは現代まで変わらない理のようなものである。

2017.4.20  北方謙三さん:「書き続けたい」 「大水滸伝」累計1000万部突破

1999年から17年間にわたって書いた北方謙三さん、竹内紀臣撮影=の「大水滸伝(すいこでん)」シリーズ(『水滸伝』『楊令伝』『岳飛伝』)が完結したのが昨年5月。

2017.4.12  【今週はこれを読め! エンタメ編】芥川賞作家の赤裸々問題作!?〜羽田圭介『成功者K』

「成功者」とは「性交者」とかけているのか!? ...と、セクハラ上司でもそうそう口にしなさそうなベタな下ネタが思わず心をよぎるほど、芥川賞作家である主人公のKは次々に女性と関係を持っていく。

2017.4.10  本屋大賞受賞作『羊と鋼の森』は12年前に生まれていた!?【宮下奈都インタビュー前編】

2016年、第13回本屋大賞を受賞した『羊と鋼の森』(文藝春秋)の著者・宮下奈都。

2017.3.25  文学フリマ:プロ・アマ問わず作者自身が出店 前橋であす /群馬

作者自身が出店者となる文学作品の展示即売会「第1回文学フリマ前橋」が26日、前橋市本町2の前橋プラザ元気21にぎわいホールなどで開かれる。

2017.3.21  【今週はこれを読め! SF編】天使が見える神経学者、偏執狂の諜報プロ、神聖なるドラッグの探索

子どものころは素朴に、科学思考が信仰や神秘体験を駆逐すると思っていた。合理と実証をつきつめれば神や霊は否定しうる、と。もちろん、実際はそんな単純ではない。科学思考と信仰はじゅうぶんに両立する。

2017.3.16  『人間じゃない』綾辻行人

1987年9月5日。

2017.3.14  文学界新人賞に盛岡の沼田さん 震災主題に描く

第122回文学界新人賞(文芸春秋主催)は、盛岡市在住の塾講師沼田真佑(しんすけ)さん(38)の「影裏(えいり)」に決まった。

2017.2.20  応募総数4878本の頂点! 余命0。"難病もの"の方式通り、主人公は恋に落ちるが…"死"の圧倒的な存在感が愛の純度を増す! ラスト5行は必読!

『ビブリア古書堂の事件手帖』の三上延、『探偵・日暮旅人』の山口幸三郎、『ちょっと今から仕事やめてくる』の北川恵海など、映像化が相次ぐ人気作家を多数輩出してきた実績を持つ小説系の新人賞、屈指の難関である電撃小説大賞。

2017.2.17  「幽」文学賞大賞『やみ窓』篠たまきインタビュー 窓の向こうの異形は化け物? それとも……。

第十回「幽」文学賞の受賞作「やみ窓」が、続篇を加えた連作短篇集として上梓された。窓で繋がる異界と、どこまでも厳しい現実。ふたつの世界に生きる普通の女の物語の背景を、著者・篠たまきさんに聞いた。

2017.2.15  【今週はこれを読め! エンタメ編】キラキラした冒険と友情と恋の日々〜小嶋陽太郎『ぼくのとなりにきみ』

10代の若者たちがこんなにキラキラしているなんて、自分が10代のときにはわからなかった。

2017.1.30  相手を想うあまりについた悲しい「嘘」とは――。霊感体質の少年と幽霊の少女による切ないラブストーリー

昔から恋愛と怪談は縁が深い。片思いを募らせて生霊となって相手の枕元に立ったり、幽霊となって恋女房の元に帰ったり、あるいは捨てられた恋人を恨んで怨霊となったり、恋愛の絡む怪奇譚は枚挙に暇がない。

2017.1.28  サスペンス×年の差恋愛要素に期待の声! 大沢在昌『冬芽の人』が鈴木京香、瀬戸康史でドラマ化

直木賞作家・大沢在昌の傑作サスペンス小説『冬芽の人』が2017年春にドラマ化される。

2016.12.20  第156回「芥川賞・直木賞」候補10作決まる 恩田陸氏・冲方丁氏ら直木賞ノミネート

日本文学振興会は20日、第156回芥川龍之介賞・直木三十五賞(平成28年下半期)の候補作を発表した。受賞作を決める選考会は来年1月19日、東京・築地の「新喜楽」で行われる。

2016.12.6  『サラバ!』を経て、見えてきた新たな世界――。又吉直樹 ×西 加奈子『i(アイ)』刊行記念対談【前編】

直木賞受賞作『サラバ!』から2年。問い続けた末に生まれてきた新作『i(アイ)』は、"今"という時代に生きる意味を突きつけてくる一冊だ。

2016.12.6  【今週はこれを読め! ミステリー編】白井智之『おやすみ人面瘡』を怖いもの見たさでも読むべし!

2014年、白井智之は食用のためにヒトのクローンが生産される世界を描いたデビュー作『人間の顔は食べづらい』を応募して横溝正史ミステリ大賞選考会場を騒然とさせた。

2016.11.18  【【文学賞記者日記2016 11/18 第29回小説すばる新人賞贈賞式レポート】】16歳の新人作家、登場「『2分ぐらいここでしゃべれ』と言われて、『マジか!?』と」

ジャンルを限定しない長編小説の新人賞でいちばん打率が高いのは、集英社の小説すばる新人賞だろう。

2016.11.8  【今週はこれを読め! SF編】日本統治下のアメリカ、不確かなアイデンティティ

第二次世界大戦で枢軸国側が勝利し、アメリカは日本とドイツに分割統治されている。

2016.10.31  「緊張感が普通のグルメ小説と違う」「持ち運べる飯テロ」 と話題の『傭兵団の料理番』待望の書籍化にファン大興奮!

小説投稿サイト「小説家になろう」で、ブックマーク数4万超えという異例の数字を記録し注目を集めるのが、川井昂による異世界グルメ小説『傭兵団の料理番』だ。2016年10月31日(月)の待望の書籍化に「やばい…純粋にめちゃくちゃうれしい!!」「持ち運べる飯テロの登場だな!」とファンは大喜びだ。

2016.10.29  「サスペンスの女王が犯人候補!? これは事件だ!」東川篤哉『探偵少女アリサの事件簿』が豪華キャストでドラマ化決定

「謎解きはディナーのあとで」シリーズや「烏賊川市」シリーズなど、数々の傑作ミステリー小説を生み出してきた作家・東川篤哉の大人気作品『探偵少女アリサの事件簿 溝ノ口より愛をこめて』。同作が今冬、「探偵少女アリサの事件簿」のタイトルでドラマ化されることが決定した。キャストには本田望結や名取裕子、田中圭といった豪華な面々が名を連ね、原作ファンからは「望結ちゃんが天才探偵ってめっちゃハマり役じゃん!」「サスペンスの女王・名取裕子が犯人候補!? これは事件だ!」と期待の声が上がっている。

2016.10.28  4部門で正賞 第69回県文学賞

福島民報社と県が主催し、県教委が共催する第69回県文学賞の受賞者が27日決まった。

2016.10.22  三浦しをん氏の小説『光』実写映画化 井浦新、瑛太ら出演

「まほろ駅前」シリーズでタッグを組んだ大森立嗣監督によって、作家・三浦しをん氏の小説『光』(集英社)が実写映画化されることが22日、明らかになった。

2016.10.16  夢や目標もなかった普通のOLがスピーチライターを目指す! 原田マハ『本日は、お日柄もよく』比嘉愛未主演で実写ドラマ化決定

2013年6月7日(金)に発売され、ついに30万部を突破した原田マハ原作『本日は、お日柄もよく』が「WOWOW」で連続ドラマ化される事が決定した。

2016.10.13  あなたの未練、お食べします――『はたらく魔王さま!』の和ケ原聡司が朗読劇で脚本に初挑戦&11月に上演決定!

勇者に追い詰められ、異世界への逃亡を余儀なくされた魔王サタン。たどりついた先は現代日本で、魔力を失いただの人間になっていた!? 生きていくには働かねばならぬ。

2016.10.11  【今週はこれを読め! SF編】日常のすぐ隣、睡眠のわずか手前、半現実の領域

グラビンスキは1910年代末から作品を発表しはじめ36年に亡くなったポーランドの作家で、その作品はポーやラヴクラフトを引きあいに評価されている。

2016.10.5  【今週はこれを読め! エンタメ編】新米編集者の悪戦苦闘成長小説〜小嶋陽太郎『こちら文学少女になります』

こちらは文学中年になります。あ、これはタイトルへのアンサー。(ん? これどっかで見たなあ。あ、このコーナーで著者のデビュー作『気障でけっこうです』が取り上げられたときだ! ...ということで、よろしければ2014年12月第3週のバックナンバーをお読みになってみてください)。

2016.10.5  文学館が異色コラボ、若者狙い文豪キャラ漫画と

「文豪ストレイドッグス」

2016.10.4  森村 誠一・評『金の価値』『東京零年』

独自の作風を変えることで新たな魅力を生み出す作家

2016.9.21  船橋描いた小説を映画化 「きらきら眼鏡」

船橋市出身・在住の作家森沢明夫さん(47)が地元を舞台に描いた小説「きらきら眼鏡」が映画化され、二〇一八年夏に公開される。

2016.9.13  小説『君の膵臓をたべたい』実写映画化 北川景子&小栗旬が初共演

2016年本屋大賞第2位のベストセラー小説『君の膵臓をたべたい』(住野よる著・双葉社刊)が新人女優・浜辺美波、アイドルグループ・DISH//の北村匠海のW主演で実写映画化されることが12日、わかった。

2016.9.11  湊かなえ「十五年後の補習」が松下奈緒・市原隼人でドラマ化決定に期待の声続々!「湊先生原作のドラマは間違いなく面白い」

『告白』『Nのために』などの話題作を次々と生み出してきた、作家・湊かなえ。そんな湊の短編集『往復書簡』収録の一編「十五年後の補習」が、心理サスペンスとしてドラマ化され、2016年9月30日(金)に放送される。

2016.9.6  湊かなえのベストセラーを本田翼&山本美月主演で映画化! "死"に魅せられた2人の『少女』が体験する衝撃サスペンス

今年の10月8日(土)に実写映画版の公開が決定した湊かなえの『少女』(双葉文庫)。

2016.9.4  近松文学賞最高賞に上野陽平さん 男女の青春を巧みに表現

「さばえ近松文学賞2016~恋話(KOIBANA)~」の最終審査と結果発表が3日、福井県鯖江市立待公民館で行われた。

2016.8.30  書籍読み放題「Kindle Unlimited」で作家の稼ぎ方はどう変わるのか? 鈴木みそ氏らが日本独立作家同盟のイベントで討論

NPO法人日本独立作家同盟は28日、緊急討論会「Kindle Unlimitedは独立作家の福音か?それとも悪夢の始まりか?」を都内で開催した。漫画家の鈴木みそ氏ら、セルフパブリッシングの分野で活躍する講師を招き、書籍の定額読み放題サービスの在り方について語り合った。

2016.8.25  大学生に片想いする小学生の女の子。だけど、相手は自分のことを「男の子」だと思っていて……。

第4回ネット小説大賞受賞作の『静かの海 あいいろの夏、うそつきの秋』(筏田かつら/宝島社)は、子どもの頃のまっすぐな「好き」を思い出させてくれる、小学生の女の子と大学生の、切ない片想いの物語だ。

2016.8.13  戦時下の暮らしを知る 阪神間文学集め 芦屋 /兵庫

太平洋戦争中に阪神間に住んだ作家の文章から、戦時下の暮らしを読み取る企画展「阪神間文学にみる大戦下の街と暮らし」が、芦屋市業平町8の芦屋市民センターで開かれている。15日まで。

2016.8.11  恋人の死へのカウントダウンが「見える」僕。「人を愛する」意味をもう一度思い出させてくれる、青春恋愛小説が登場

ヒロインの名前は「美雨(みう)」。その名前のように、美しい雨のような繊細な涙を流せる、切なさと情感あふれる恋愛小説『僕はまた、君にさよならの数を見る』(霧友正規/KADOKAWA)が発売される。

2016.8.9  続きは読み手のイマジネーション次第―一瞬で読める「書き出し」だけの小説集とは?

約2年前、小説家志望でさまざまな新人賞に作品を投稿していた頃、私は奇をてらって、出だしだけの小説という切り口で短編小説を書こう考えていた。どこがおもしろいのかわからず、すぐにやめてしまったが、まったく同じ切り口の書籍が出版されている。

2016.8.2  【今週はこれを読め! SF編】史実に材をとったご当地SFにして、全時空規模の超絶アイデア

第一回ハヤカワSFコンテストで大賞を受賞したデビュー作『みずは無間』、それにつづく『地球が寂しいその理由』と宇宙を舞台にスケールの大きな作品を送りだしてきた六冬和生だが、第三作にあたる本書は一転して信州松本が舞台のご当地小説だ。

2016.7.28  『キミスイ』を超える純愛小説はこれだ!超速で20万部突破、『僕は何度でも、きみに初めての恋をする。』の著者・沖田円が贈る最新作

消えることなく、心の中に永遠に生き続ける記憶がある。切なさも悲しみも喜びも、甘酸っぱい恋心でさえも、青春は気がつけばあっという間に通り過ぎてしまうが、生きる希望となるような思い出が、自分の進む道を照らし出してくれる。

2016.7.27  本はともだち:児童文学作家5人が対談

2006年にデビューした女性児童文学作家5人が講談社(東京都文京区)で対談した。「恋する和パティシエール」の工藤純子さん、「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」の廣嶋玲子さん、「トーキョー・クロスロード」の濱野京子さん、「天山の巫女ソニン」の菅野雪虫さん、「鉄のしぶきがはねる」のまはら三桃さん。10年を振り返り、児童文学への思いを語った。

2016.7.25  『小説王』早見和真著 出版不況にケンカを売るアツイ小説

「アツイ!」という言葉をあまり聞かなくなったような気がするが、久々に純粋な賛辞として「アツイ!」と連呼したい小説に出会った。アツイ! 激しくアツイ!

2016.7.22  楽天ブックス: 著者インタビュー -あんびるやすこさん「『なんでも魔女商会21 おきゃくさまはルルとララ』 『ルルとララのコットンのマカロン』」

女の子が大好きなものといえばドレスにお菓子、そして魔法!そのすべてが盛り込まれた作品で、小学生を中心に絶大な支持を集めているあんびるやすこさん。少女たちが活躍する夢と希望に満ちた物語は、今や母親世代や男の子たちのハートも掴んでいます。絵本から読み物へと移っていく年代に、「読書の楽しさを教えてくれる」と大人気のシリーズに込めた思いをうかがいました。

2016.7.14  松本潤×有村架純で恋愛小説「ナラタージュ」を映画化!行定勲監督がメガホン

松本潤と有村架純の共演で、島本理生氏の恋愛小説「ナラタージュ」が映画化されることが決定した。松本、有村ともに初の顔合わせとなる行定勲監督のメガホンで、一生に一度しか巡り合えない狂おしいほどの恋を描き出す。

2016.7.13  【今週はこれを読め! エンタメ編】型破り教師と教育実習生がトラブルに立ち向かう!〜古川春秋『ジッシュー!!』

「教育実習生が主人公の小説、聞いたことない!」と思って検索してみたら、他にもけっこうあった。

2016.7.12  【今週はこれを読め! ミステリー編】倫理観を揺さぶるジョン・コラビント『無実』

『無実』はいい邦題で、原題を"Undone"という。「結び目をほどく」「服を脱がせる」「人を破滅させる」という意味のある動詞undoの過去分詞で、形容詞としても使われる。「結び目がほどけた」「服が脱がされた」「破滅させられた」という意味の1つ1つが小説を読んでいると次々に浮かび上がってくるではないか。

2016.7.6  世界観の変更を迫りたい、もっと強く 小説で、"すごい経験"をしてほしい

"物事はこういうふうにも考えられるんだ"──最後のページを閉じた瞬間、自らの内に起こるそんな覚醒。登場人物に寄り添い、あるいは俯瞰し、ストーリーを夢中で巡ってきたはずなのに、意識は自分に向かっている。それが白石作品の摩訶不思議さである。

2016.7.5  【今週はこれを読め! SF編】アンドロイドはジャムセッションで人間と勝負できるか?

中核となるテーマはAIによる人間性の再現。その題名が示すように、ジャズが題材としてさまざまに扱われている。これがきわめて重要。物語の味つけにとどまらず、この作品の本質につながっている。

2016.6.29  【今週はこれを読め! エンタメ編】元「モーレツ社員」のPTAデビュー〜中澤日菜子『PTAグランパ!』

静まり返る教室。他人と目を合わせないよう目を伏せる保護者たち。

2016.6.21  【今週はこれを読め! SF編】赤いリボンをつけ、買いもの籠を手に、不思議な世界をどこまでも

人間がいなくなった世界で、残された人造物が変わらぬ日常を営みつづけている。

2016.6.20  bestseller's interview 第81回 住野 よるさん

出版界の最重要人物にフォーカスする『ベストセラーズインタビュー』。

2016.6.16  『PSYCHO-PASS』ノベライズを手がけた作者最新作!大戦前夜の帝都で、特殊部隊が"逸脱者"たちを蹂躙する!

いつか憧れた揺るぎないヒーロー像とハードな人間ドラマを送り出す小説レーベル「ノベルゼロ」。

2016.6.15  作家の読書道 第173回:西崎憲さん

作家、翻訳家、アンソロジスト、ミュージシャンと、さまざまな顔を持つ西崎憲さん。昨年は日本翻訳大賞を立ち上げ、今年は文芸ムック『たべるのがおそい』を創刊など、活動の場をどんどん広げていく西崎さんの原点はどこにある? その読書遍歴はもちろん、各分野に踏み出したきっかけもあわせておうかがいしました。

2016.6.13  第1回渡辺淳一文学賞 人間の本質に深く迫る 『あこがれ』で川上未映子さん受賞

作家、渡辺淳一(1933〜2014年)の功績をたたえる第1回渡辺淳一文学賞(集英社など主催)の贈賞式が東京都内であった。

2016.6.12  ラノベとエンタメの間、ライト文芸が進化中!

"中間小説"と言えば、純文学と大衆文学の中間にある娯楽小説のこと。ところが最近は、ライトノベルとエンタメの中間を指すと聞かされて驚いた――という話を目黒考二氏のコラムで読んで驚いた。ええっ、いつの間にそんなことに!?

2016.6.9  書店の来店回数が2倍に--"技あり"電子書籍サービス「Airbook」とは

書店の売り場縮小や雑誌の休刊など、雑誌、書籍を取り巻く環境は依然として厳しい。電子化という新たな活路は見えているものの、"紙"からの切り替えは、すぐに進むものではなく、いまだ一部のユーザーのみの利用にとどまっているという。

2016.5.30  独占インタビュー「ラノベの素」 岩井恭平先生『東京侵域:クローズドエデン』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は6月1日にスニーカー文庫より『東京侵域:クローズドエデン』第3巻が発売となる岩井恭平先生です。本作に込められた魅力、最新第3巻のストーリー展開についてもお聞きしました。

2016.5.25  bestseller's interview 第79回 三崎 亜記さん

出版界の最重要人物にフォーカスする『ベストセラーズインタビュー』!

2016.5.24  書評:天下一の軽口男 [著]木下昌輝 - 末國善己

■権力者やり込め、胸のすく思い

2016.5.23  季刊文芸誌:『小説BOC』創刊

今年、創業130年を迎えたことを記念し、中央公論新社は季刊文芸誌『小説BOC(ボック)』を創刊した。

2016.5.18  【今週はこれを読め! エンタメ編】 小路幸也の大家族もの『恭一郎と七人の叔母』がもっと読みたい!

"七人のおば"と聞けば、思い出されるのはパット・マガーの名作ミステリーである。結婚して夫のピーターと英国に渡ったサリーは、友人のヘレンからの手紙で自分のおばが夫を毒殺して自殺したことを知らされる。しかし。サリーにはおばが7人もいるのだが、手紙にはどのおばが事件を引き起こしたかは書かれていなかったのだ...!

2016.5.16  Interview:平野啓一郎さん 「小さな声」に耳を澄ます 小説『マチネの終わりに』で描いたこと

繊細なクラシックギターを通奏低音とし、40代の恋愛や生きづらさを描く平野啓一郎さんの小説『マチネの終わりに』(毎日新聞出版)が好評だ。

2016.5.13  「人工知能の小説は面白くなっていくのか?」気鋭の若手が白熱協議!

今、小説の世界に激変が起きている。2010年に登場した小説投稿コミュニティ「E★エブリスタ」では、これまでに200万点以上もの作品が発表され、すでに500点以上もの作品が書籍化。映画化・コミック化など、多メディア展開される作品も多いという。

2016.5.10  【今週はこれを読め! SF編】鮮やかな個性が躍動し権謀術策が渦巻く、絢爛たる幻想武侠ロマン

一年ほど前、この欄でケン・リュウの短篇集『紙の動物園』を紹介した。「珠玉のような作品」という常套句があるけれど、ケン・リュウの珠玉は高硬度の宝石というより琥珀や鼈甲のように温かく柔らかい。その輝きは初長篇『蒲公英(ダンデライオン)王朝記』でも健在だ。

2016.5.6  西尾維新「戯言シリーズ」アニメ化 未電子化作品も続々配信

「〈物語〉シリーズ」などで知られる作家・西尾維新氏のデビューシリーズ「戯言シリーズ」のアニメ化と、未電子化作品を毎週1作品以上30週以上にわたって連続新配信していくデジタルプロジェクトが6日、講談社より発表された。

2016.4.28  祝・本屋大賞受賞!『羊と鋼の森』の宮下奈都さんインタビュー。「3人の子育てと執筆活動はどちらも楽しくて大切で、なくてはならないものです」

――『羊と鋼の森』の2016年本屋大賞受賞おめでとうございます。今のお気持ちはいかがですか。

2016.4.25  伊坂幸太郎×佐々木敦「面白い小説は"文学"ではないのか?」 エンタメと文学のあいだ

佐々木 拙著『ニッポンの文学』では、2010年代の小説の世界はどうなっていくのか、ということに言及したエピローグで伊坂さんのことを取り上げさせていただきました。

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