井上 荒野(いのうえ あれの、1961年2月4日 - )は、日本の小説家。本名同じ。東京都出身。
小説家井上光晴の長女として東京都中野区に生まれる。調布市立第三中学校、玉川学園高等部、成蹊大学文学部英米文学科卒業。大学卒業後は小学館の近代文学全集編集部に3年間勤めていた。退職後はフリーで記事を書いたりコピーライターのような仕事をし、たまに同人誌に小説を発表していたという。
1989年、「わたしのヌレエフ」で第1回フェミナ賞(学習研究社『季刊フェミナ』によるもの。江國香織と同時受賞。)を受賞するが、その後体調不良などで小説を書けなくなる。絵本の翻訳などをしていたが、2001年に『もう切るわ』で再起。2004年、『潤一』で第11回島清恋愛文学賞、2008年、『切羽へ』で第139回直木賞受賞。2011年、『そこへ行くな』で第6回中央公論文芸賞受賞。2016年、『赤へ』で第29回柴田錬三郎賞受賞。2018年、『その話は今日はやめておきましょう』で第35回織田作之助賞受賞。
実父、光晴は尼・文筆家の瀬戸内寂聴と不倫関係にあったが、瀬戸内と井上の間には長く親交があった。
36歳のときに父と同じ大腸がんに見舞われ、入院生活を送るも寛解。退院後にインターネットで古書を探しているなかで知り合った古書店主と40歳のときに結婚。2019年より長野県八ヶ岳の麓に暮らす。
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