安部 公房(あべ こうぼう、1924年〈大正13年〉3月7日 - 1993年〈平成5年〉1月22日)は、日本の小説家、劇作家、演出家。東京府北豊島郡(現:東京都北区)出身。本名は安部 公房(あべ きみふさ)。「ノーベル文学賞に最も近い人物」とノーベル委員会から評価を得ていた中、脳内出血により急死した。昭和中期から平成初期にかけて活躍した現代日本文学を代表する作家の一人である。
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東京府で生まれ、満洲で少年期を過ごす。高校時代からリルケとハイデッガーに傾倒していたが、戦後の復興期にさまざまな芸術運動に積極的に参加し、ルポルタージュの方法を身につけるなど作品の幅を広げ、三島由紀夫らとともに第二次戦後派の作家とされた。作品は海外でも高く評価され、世界30数か国で翻訳出版されている。
主要作品は、小説に『壁 - S・カルマ氏の犯罪』 (芥川賞受賞)、『砂の女』 (読売文学賞受賞)、『他人の顔』『燃えつきた地図』『箱男』『密会』など、戯曲に『幽霊はここにいる』『友達』『棒になった男』『緑色のストッキング』などがある。演劇集団「安部公房スタジオ」を立ちあげて俳優の養成にとりくみ、自身の演出による舞台でも国際的な評価を受けた。晩年はノーベル文学賞の有力候補と目された。ノーベル文学賞委員会のペール・ベストベリー委員長は読売新聞のインタビューで、「急死しなければ、ノーベル文学賞を受けていたでしょう。」と述べている。
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