清水 義範|しみず よしのり|1947年10月28日 - は、日本の小説家。
パスティーシュ(文体模倣)の手法を用いた『蕎麦ときしめん』(1986年)、『永遠のジャック&ベティ』(1988年)など、諧謔を駆使した作品で異彩を放つ。ほかに『博士の異常な発明』(2002年)、『首輪物語』(2005年)など。
1947年、愛知県愛知郡天白村(現名古屋市天白区)生まれ。2歳のときに、名古屋市西区笠取町に移住した。名古屋市立庄内小学校、名古屋市立名塚中学校、愛知県立名古屋西高等学校、および愛知教育大学教育学部国語学科卒業。
中学時代からSFファンで、同人作家として自身でSF同人誌を発行。半村良の面識を得て、大学卒業後、半村の勧めで上京し師事。1977年からソノラマ文庫を活動の場とし、『宇宙史シリーズ』などSFを中心に多数の少年作品を発表した。
その後、短編集『蕎麦ときしめん』では司馬遼太郎の文体で猿蟹合戦を叙述したり(『猿蟹の賦』。猿蟹合戦ネタでは他に丸谷才一の文体を用いた『猿蟹合戦とは何か』も発表している)、『日本人とユダヤ人』やそれをめぐる状況のパロディとなっている表題作など様々なパスティーシュの手法が用いられている。以降この手法を用いた短編を書き続け、その数は数百編に達する。この他にもユーモア色の濃い推理小説のシリーズを複数手がけたり、自伝的な青春小説シリーズを執筆している。推理小説シリーズの1つである「躁鬱探偵コンビの事件簿シリーズ」のうち、「H殺人事件」および「Y殺人事件」は、TBS系列で「Hは謎のイニシアル 女子短大生の愛のゆくえ -H殺人事件-」、「Y殺人事件 湯けむりスキーと女子大生!?」のタイトルでそれぞれ2時間ドラマ化されている。
加藤清正と北政所が名古屋弁で会話するショートショート『決断』を書いて以来、名古屋弁など名古屋を前面に押し出した「名古屋もの」と呼ばれる作品を多数著し、大須演芸場で「名古屋弁を全国に広める会」の功労賞を受賞。名古屋名誉市民になった。この路線の集大成が、豊臣氏が存続して名古屋幕府を開き、名古屋弁が標準語化した日本の近代史を描くパラレルワールドSF『金鯱の夢』である。最近では「お勉強シリーズ」をはじめとした西原理恵子とのコンビ作品がある。
日本語にまつわる著作が多いことから、NHKの用語委員を務める。
丸谷才一からは、「注目すべきパロディスト」「パロディを書くことと小説を作ることが両立して、両者は互いに相手を引き立てる、これは賞賛に値する才能」という評価を受けている。ただし、自身の作である『忠臣蔵とは何か』のパロディである『猿蟹合戦とは何か』については、素直に評価できない事を告白している。
現在、小説公募情報誌「月刊公募ガイド」の連載企画「小説の虎の穴」で選考委員を務めている。
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