貫井 徳郎|ぬくい とくろう|1968年2月25日 -
は、日本の小説家・推理作家。東京都渋谷区生まれ。東京都立青山高等学校を経て。妻は同じく推理作家の加納朋子。
高校一年生のときに小説を書き始め、初めて書いたミステリ(『鬼流殺生祭』の原型)を第4回横溝正史賞に応募する。当時ミステリを書いたのはその一作だけで、その後は伝奇SFを早川書房のハヤカワ・SFコンテストや講談社の小説現代新人賞に応募するも、予選を通過することはなかった。
1992年12月31日付で、勤めていた不動産会社を退社。1993年、失業期間に書いた『慟哭』が第4回鮎川哲也賞の最終候補作となる(受賞作は近藤史恵『凍える島』)。受賞は逃すが、予選委員の北村薫と編集者の戸川安宣の激賞を受け、東京創元社から黄金の13の一作として刊行され作家デビュー。2002年、北村薫が『慟哭』の創元推理文庫版の帯に「題(タイトル)は『慟哭』書き振りは≪練達≫読み終えてみれば≪仰天≫」というコメントを寄せたことがきっかけとなり、50万部を超えるヒットとなる。
長く文学賞受賞とは無縁であったが、2010年、『後悔と真実の色』で山本周五郎賞を、『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞(同時受賞に飴村行『粘膜蜥蜴』)。『後悔と真実の色』は、著者みずから「推協賞(日本推理作家協会賞)を目指して書いた」と語った作品であったが、版元の幻冬舎が推薦作リストに入れ損ねるという不手際により、候補にすらなることが出来なかったが、『乱反射』で同賞を受賞。推協賞選考後の記者会見で、選考委員の北村薫は「『乱反射』に与えないようなら、推理作家協会賞の存在意義はない」。なぜなら『乱反射』は「小説という衣の下に、本格の鎧を隠した作品」だからと受賞理由を語った。
2023年5月19日より日本推理作家協会代表理事となる。
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